花伝書

世阿弥が35歳すぎに書いた風姿花伝を花伝書と言っておりますが、芸の道の指南だけでなく、いかに能楽師が生き残るかという(特に観世流)戦術書のような書だと思います。花という言葉を能の姿にうつしているところは本当に素晴らしいです。世阿弥は禅宗(曹洞宗)に深く帰依していたと言われています。その影響は多大だったと思います。

世阿弥はその中でいろいろな言葉を書いています。特に有名なのは初心不忘可(初心忘るべからず)ですよね。最近は今の新鮮な気持ちを忘れてはならないという意味で使われますが、そういう意味でなく、初心(今現在の)の未熟さを忘れてはならないいう厳しい戒めなのです。時分の花は時分の初心を乗り越えてこそ得られる境地であり、毎日がその初心であるということです。最高の花とは、老いた花、これこそが能の求める最奥の姿である、老後の至難な初心まで積み重ねなければならない、まさに死ぬまで修行を怠るなという簡単に使えない厳しいことばなのです。ゾクッとします。

命には終わりあり能には果てあるべからず   いい言葉です。

稽古は強かれ情識はなかれ  慢心せず人の意見を聞き、稽古に没頭しろ  まさにその通りです。

家、家にあらず。次ぐをもって家とす。人、人にあらず。知るを持って人とす。 崇俊聞いているか。

深い言葉ばかりです。ほかにも私が好きな言葉が幾つかありますので、またの機会にお知らせ申し上げます。

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