大般若

今日は午前中は新橋の稽古、午後は自宅の稽古でしたので、9月の松能会のプログラムの原稿を考えたりしました。あと大般若のあらすじが知りたいとのご要望もありましたので、少し書かせていただきます。

はじめにこの曲は現行曲ではなく、昭和58年に梅若玄祥氏により復曲され、各地で演じられてきましたが、私は今まで経験がありませんでした。このような特殊な曲は私の立場ではなかなか演じるのは難しいのですが、今回深大寺にゆかりがある曲ということで、師匠、御宗家並びに梅若氏のお許しを得まして、演じる運びとなりました。

あらすじ  唐の時代 西遊記で有名な三蔵法師(玄奘三蔵)が尊いお経を求めて、シルクロードを渡り天竺(インド)を目指す途中、流沙川(砂漠)に至って、一人の怪しい男に遭遇します。男はこの川は深くて厳しく、また遠くにそびえたつ山脈、葱嶺(そうれい)が立ちはだかり誠に困難な道であるといいます。

玄奘はかつて何度もこの地を訪れては命を落としていました。数えること7回。行く手を妨げたのはこの男、実は川の主、深沙大王でした。

しかし玄奘の熱意に感動し、今度は道を通してあげようと言って消えます。

大王の家来(狂言)が深沙大王の事を語り、その後飛天(ツレ)二人登場し、音楽を奏します。飛天たちは玄奘を連れ立ち川を渡ります。そこへ龍神二人が登場し礼拝しますと、巌の中から深沙大王が大龍となって登場し、笈の中から大般若経を与えます。そして声高らかに読み上げ、この経典の守護神となるであることを誓います。

玄奘は悦び経典と共に流沙川に向かうと、大王の神通力で川は二つに分かれます。玄奘はその間を通って帰途につくのでした。

西遊記より前に語られてきたお話で、作者は不詳です。1432年永享4年3月仙洞御所にての演能記録がありますが、その後は演じられていませんでした。

梅若家に伝来されている面で般蛇(はんじゃ)が大般若の後シテに使われていたのではないかといわれているそうです。

見どころ等は次回にさせていただきます。かなり大がかりな能です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA