井筒
来年の檀の会の前に今年最後の大役があります。
21日の朋之会で井筒です。(155番目のシテ)。世阿弥作の名曲です。
今回で4回目になります。
初演は平成5年2月21日檀の会(独立5周年、千冬独立35周年記念)でした。
この年の9月に父が亡くなりましたから親子で出演した最後の檀の会でした。父は井筒を勤められなかったので(失明のため勤められませんでした)、生意気だとよく言われました。とても勤めたかった曲だと思います。
檀の会の名前は、父の出身地、長野市檀田(まゆみだ)からつけたと聞いておりましたが、もう一つ、井筒の中に出てまいります謡の、
まゆみつきゆみとしをへて このまゆみもだぶっているとも申しておりました。そのぐらい井筒が好きでした。舞わせてあげったかったです。
2回目は平成13年2月17日第14回檀の会でした(物着の小書つき)。
この時のお囃子方は笛 一曾仙幸 大鼓 亀井忠雄 小鼓 北村治 ワキは 宝生閑 すべて人間国宝の先生方
地頭は関根祥六氏でした。すごいことでした。怖いもの知らずとはこわいですね。幸せものです。
3回目は今年6月の佐渡正法寺のろうそく能でした。
今度の井筒も物着の小書入りです。
物着は前シテで中入りせず、後見座で後の装束をつけます。(間狂言はありません)
装束は通常のほかに太刀をつけたりとより豪華になります。当日の装束をおたのしみに。
今年最後の集大成のつもりでしっかり稽古してのぞみたいと思っております。
ご高覧賜りますようお願い申し上げます。